透析用血管アクセス治療

◇透析用血管アクセス治療

1.透析用の血管

血液透析用の血管

血液透析治療では通常1分間に約200cc(以上の)大量の血液を機械に通して不要な水分・毒素・電解質などを取り除きます。そのため血液透析治療を円滑に行うためには専用の血管を準備する必要があります。
血液透析治療用の血管にはシャント、表在化動脈などがあります。

シャントとは

人間の体には動脈と静脈の2種類の血管があります。動脈は心臓が血圧をかけて全身に栄養豊富な血液を送るための血管です。静脈は栄養を使われた血液が心臓に戻るための血管です。もし動脈に針が刺されば1分間に1000ccでも採血することができますが、筋肉の奥深くを走行するため針を刺すことが難しいのです。逆に静脈は皮膚の浅いところを走行して針を刺すのは比較的簡単ですが、血液透析治療を行えるほどの勢いがありません。そこで静脈と動脈を手術で繋いで、勢いのある動脈の血液を静脈に流す(高速道路の入り口のようなところを作る)血管をシャントと言います。日本で透析をされている患者さんの約9割の方がシャントで透析をされています。

表在化動脈(動脈表在化)とは

動脈は筋肉の深いところを走行するため針を刺すのが難しいのですが、動脈を皮膚のすぐ下に移動させることで針をさせるようにすることができます。シャントは動脈の勢いを利用しているため心臓に負担がかかりますが、動脈表在化は動脈の位置を変えるだけですので心臓に負担がかかりません。心臓に負担をかけたくない患者さんには動脈表在化がお勧めです。

2.エコー検査

エコー検査

当院では受診していただいたすべての患者さんにエコー検査で血管の状態を精査確認させていただきます。
(検査は痛くありません)
その後に医師が血管のご状況を説明して、一番最適な治療をお勧めするようにしております。

3.血管治療

手術治療

透析用のシャント造設、動脈表在化造設などの手術治療を行っております。
できる限り目立たないよう小さな創で手術を行うように心がけております。
局所麻酔で行いますので、日帰りで治療を受けていただけます。
人工血管を用いた治療を行う場合や術後に安静にしていただいた方が良いと思われる場合は入院をお勧めしております。入院治療は当院と連携していただいている病院をご案内させていただいております(連携病院)。

カテーテル治療:経皮的血管形成術(PTA)

シャントの血管が細くなった場合にカテーテルで細い部分を拡張する治療を行っております。細い針を血管に刺して、その針からカテーテルを通して治療を行います。手術と異なりほとんどキズは残りません。
局所麻酔、神経麻酔、静脈麻酔(眠くなる薬を注射する)で行います。
この治療も日帰りで受けていただけます。
ほとんどの治療は腎臓に悪影響がある造影剤を使用せずに行っております。

<PTA治療中>
<PTA治療後>

連携病院一覧

・大手前病院
・大阪労災病院
・北野病院
・済生会中津病院
・JCHO大阪病院